文へスキップ

良い宇宙人と悪い宇宙人の話地球編

NO59「心冷たい宇宙人は月に住んでいる」

  • おまえたち月が宇宙戦艦であることをどうして証明するのか、と聞いておるな。
    それは、そのうち教えてやろう。
    望遠鏡で月を見ても生命活動があるようには思えんじゃろう。
    冷たい死の星のような印象を受けるだろう。
    だがそれはみんな人工物を月全体の色に統一して目立たぬようにしてあるからじゃ。
    だから生命活動があるなんて思えんのは無理もないさ。
    だが赤外線で月を撮ったらどうなると思う?
    一度それを見てみるか?

    びっくりしたろう。
    熱を放射していることがわかったか!?
    俺たちがこっそり活動しているからエネルギーを放出しているというわけさ。
    だが月の赤外線写真があるなんて誰にも言うな!
    おまえが俺様とそうとう長くつきあってきたから特別に教えてやった情報だぞ。
    決して他言するな!
    その他に月はいつも表を向けておるが不思議におもわんか。
    何で裏を見せないかとな。
    ちょっとこれを説明してやろう。
    地球には潮汐作用があるのは知っているな。
    月の引力によって潮が満ちたり引いたりするな。
    海水面が高くなったり低くなったりするんだ。
    これは月の引力によるものだな。
    地球も月の引力を受けるが、逆に月も地球の引力を受けているんだ。
    このことはわかるな。
    そうすると月は地球の引力によって伸びるところと縮む部分ができることもわかるか?
    今は月は回転していないから、地球の引力によってその伸びたり、縮んだりはしないぞ。
    つまりひずんだ部分は、伸びたところは伸びたまま、縮んだところは縮んだままだな。
    つまり変化しないんだ。
    だがもし月が回転していたら、地球の引力のおかげで月のひずみの部分は回転によって変わってくるだろう。
    つまり月の各部分が「伸びたり縮んだりする」わけだ。
    月の外壁は厚い特殊チタンでできているぞ。
    だから、そんな伸びたり縮んだりする力を受けても、びくともしないぞ。
    だがな、俺様たちは不死であるから、月も何億年〜何十億年とその伸びたり縮んだりを繰り返すことになるわけだ。
    そうすると何億回、何十億回も伸び縮みを繰り返すことになるのだ。
    するとどんなに頑丈なものでも金属疲労が起こるのは避けられんだろう。
    金属疲労が起こればどうなるかわかるな。
    古いものを放棄して新しいものを作らねばならなくなるというわけよ。
    金属疲労を起こさせない唯一の方法は、 月の決まった面が地球の方に向いていればいいんだ。
    だから月は表ばかりを見せているというわけよ。
    人間どもは月が表ばかり見せている理由をいろいろ考えているぞ。
    だがほんとうの理由は俺様たちが制御しているだけの話さ。
    月を地球の周回速度と同じ周期で自転させて、表面しか地球にむかないようにしているだけの話しさ。
    そうすれば「月に対して地球からの汐力作用は働かなくなる」ぞ。
    太陽系には月と同じように惑星から見て表しか見せない衛星がいっぱいあるぞ。
    それもみんな同じ理由で惑星の周回速度と同じ周期で自転させているだけの話しさ。
    話は変わるが、俺様たちは死なないと言っているな。
    だが、月には俺様のように霊になっている超科学をもったスーパー宇宙人と、その俺様に操られている肉体を持った大分レベルの低い人間と二通り住んでいるんだ。
    レベルが低いといっても、この宇宙では肉体を持っている生物の中では最高レベルだぞ。
    だから、地球に住んでいるおまえたちとは比べものにならんぞ。
    地球の人間どもはたった80年の命しかないぞ。
    そこで不死の連中とは比べようがないぞ。
    だから自分たちよりどれぐらい進化しているかなんて考えるだけ無駄だぞ。
    80年の寿命といえば0年に近い有限だな。
    不死となると無限じゃろう。
    これでは比較のしようがないことはわかってくれるな。
    だが不死の連中も肉体を持っている以上事故による不慮の死の可能性があるんじゃ。
    これが重大問題なんじゃ。
    例えば、爆発によって肉体が修復不能にることもあるぞ。
    隕石などで肉体が破壊されてしまう場合もたまにはあるんじゃ。
    そんなことはめったになくとも、長い長い間には偶然そうゆう事故に遭う確率もあるんじゃ。
    そうなったら死ぬのは人間と同じじゃぞ。
    それを避けるにはどうするかだな。
    危険な作業はアンドロイドなどを使ってやらせるんじゃ。
    もう一つは、安全な住処(すみか)を製作することなんじゃ。
    だが、不死であれば、何千万年以上という長い時間生きているだろう。
    その間には、もし地表で生活したら隕石の衝突などで事故に遭う確率が100%になってしまうことは理解できるか?
    そこで隕石対策がいるわけだ。
    つまり隕石が衝突しても壊れない鉄鋼双璧を持つ宇宙船を造らねばならぬのよ。
    その中で生活すれば隕石に対しては安全なことは理解できるか?
    これでやっと文字通り不死であることができるな。
    もちろん、俺様のように肉体を持たない霊となり不死になれば、隕石などは関係ないぞ。
    だが、俺様があやつって強制的に言うことをきかせている、部下たちは、肉体を持っているぞ。
    肉体があるかぎり死から解放されたわけではないのはわかるな。
    つまり、肉体を持っていれば不死といっても霊となった不死の者に比べて一段と劣るわけよ。
    そこで、分厚い特殊合金の鉄鋼双璧をもった宇宙船をつくるわけなんじゃ。
    壁の厚さは最低50km程度は必要になるじゃろう。
    だいたい200km程度あればほとんどの隕石に対して安全になるぞ。
    隕石がぶつかれば少しはうるさいが、安全であることには変わりはないぞ。
    そこで50~200km程度の鉄鋼双璧の宇宙船をつくることになるんじゃ。
    そういえば、戦艦「大和」の砲塔の鉄鋼双璧が30cmあったのを知っている人間どももいるだろう。
    「大和」は、あいての戦艦からの砲弾が当たっても破壊されないようになっていたんじゃ。
    だから浮沈戦艦などと呼ばれていたのよ。
    もっとも空からの攻撃でやられたが・・・
    ただ、こんなに分厚い鉄鋼双璧を持った宇宙船となると、本体の直径が1000km程度以上は必要だぞ。
    建設の歳月も数億年もかかるんじゃ。
    建設期間の数億年は、肉体が不死であれば軽くクリアできるが、問題があるんじゃ。
    一隻を作るのに使う鋼鉄の量を考えてみろ。
    膨大な量がいるぞ。
    そうなると材料の鋼鉄の調達が難しくなるんじゃ。
    例えば、月型の宇宙船を作るには、地球の鉄を全て使っても不足するぞ。
    地球の中心には高温の個体鉄と溶融鉄があるんじゃ。
    だが、これを全て使っても不足するぞ。
    つまりな、地球程度の小型惑星から材料を調達する場合、材料不足で宇宙船は作れないということなんじゃ。
    そうなると、もっと大きな惑星に目をつけるわけよ。
    太陽系では・・・と検討すると「木星、土星、天王星」などの大型惑星が候補にあがるな。
    これぐらい大きい惑星だと、数隻は作れるぞ。
    だから新しい宇宙船の製作は、木星や土星の周囲でやるということになるな。
    木星や土星を破壊して内部の鉄を取り出すことは難しいぞ。
    だが、これらの惑星に穴を開け直接に内部の鉄を吸い上げるんじゃ。
    吸い上げた鉄は、途中の空間で合金の材料を混合して、作っている岩でできた球体に塗布すればいいんじゃ。
    この様にすれば、溶けた鉄をそのまま使えるじゃろう。
    もっとも、地球みたいに表面温度が低く固まっている星より、表面が固まっていない木星などの方が作業がしやすいこともあるぞ−−−−。
    地球では、船を製作するときには、冷やして鉄板にしてから溶接するぞ。
    だが、宇宙では、そんなまだるっこいことはしないぞ。
    木星の溶けた鉄を直接取り出すんだ。
    そして宇宙空間で合金にするぞ。
    それを、型に塗布して一気に製作するんだ。
    この作業をしているところが、ハップル望遠鏡により観測されたことがあるじゃろう。
    テレビでも放映されたぞ。
    木星の側の空間に超巨大な筒状の大・中・小の物体が3つ写っていたな。
    だが、NASAも、それがわれわれが宇宙船を作っている現場だとは、分からなかったようだな。
    NASAの連中では理解するのは無理だろう。
    土星の輪はなんだか知っているか?
    あの輪は、宇宙船の型を作る材料の倉庫にしてあるんじゃ。
    土星の周囲に一定間隔で材料を並べてあるんだ。
    それが地球から見て輪のように見えるだけさ。
    材料と材料の間を一定間隔にしてあるぞ。
    だから材料同士がぶつからないんだ。
    地球の探査衛星もその輪を通り抜けることができたじゃろう。
    ところがこの輪が今年半分消えた、というニュースを聞いた者もいるようだな。
    実は、お人好し宇宙人たちが、半分破壊してしまったのだ。
    まあ戦争だから相手の軍需工場を潰すのは常套手段だから仕方ないさ。
    でもまだ半分は残っているぞ。
    木星は、宇宙船を作る材料を入手するための星だぞ。
    木星の中心にあるどろどろに溶けた鉄が材料になるんじゃ。
    その鉄を使って木星の衛星軌道が工場になっているんだ。
    おおそうそう、月のような超巨大な中空の球体を作る方法だ。
    お前たちはそれが知りたいのだろう。
    簡単じゃぞ。
    普通の人間は直径1000kmで壁の厚さが100kmもある宇宙船を作るなんて不可能だと思うのは無理ないぞ。
    そりゃ、地球上のように重力のあるところではとても無理だ。
    だが、宇宙空間の無重力の所ではそんなに難しくはないぞ。
    まず材料となる小さい岩をたくさん土星なんかの周回軌道にもってくるんだ。
    次にそれらの小さい岩を使って球体を作るんだ。
    小さい岩といってもほんの少し引力があるぞ。
    無重力空間だから、そのほんの小さい引力で互いの岩同士が簡単にくっつくぞ。
    これなら子供でも岩と岩を集めて球体を作れるだろう。
    球体ができたら、その外側を溶かして溶接してしまうんだ。
    これも簡単だな。
    次に球体の壁の一部にまっすぐな穴を中心にむかって一つあけるんだ。
    その穴から球体の真ん中部分の小さい岩を球体の外に運び出すんだ。
    これも無重力状態の作業だから簡単だぞ。
    そうすると中空の球体ができたことになるな。
    つぎに溶接した球体の外側にさらに岩をくっつけて壁を厚くするんだ。
    壁が厚くなったら外側をまた溶接してしまうんだ。
    次に、また球体の内側の岩をはずして、さっき作っておいた穴から外に運び出すんだ。
    そうすると内側の空間はさっきより大きくなっただろう。
    つまり一回り大きな中空の球体ができたということよ。
    この作業を何千回、何万回と繰り返すんだ。
    すると球体はどんどんでかくなるだろう。
    もうこれいじょう大きくなくてよくなったら、外壁と内壁を完全に溶接してしまうのよ。
    この溶接には特殊鉄がめちゃくちゃ大量にいるぞ。
    だから木星みたいなでっかい惑星から材料を調達せねばならんのだ。
    そうゆうわけで宇宙空間では月のようにでかい宇宙船が簡単に作れるんだ。
    聞いてみたらお前たち人間にだって作れそうだろう。
    だが時間だけはめちゃくちゃかかるぞ。
    俺様たちのように不死の者でなくては月のようにでかい宇宙船は無理だぞ。
    月の大きさなんてかわいいもんだぞ。
    お人好し宇宙人の旗艦は地球の10倍以上もあるんだからな。
    もっとも俺様たちにとってもあんな超巨大なものをどうやって作ったか謎だがな。
    こんな小さな月でも、我が軍の旗艦(きかん)なんじゃぞ。

    過去に他の太陽系で作って、宇宙空間を飛行してきたんじゃ。
    そしてこの太陽系まではるばるやってきたんじゃ。
    そして人間養殖場である地球の回りにその旗艦の月を周回させているという寸法よ。
    そこから地球を観測して、養殖場の人間が順調に繁殖しているか見ているわけよ。
    おまえたちの中でも天体に興味のあるやつは、 「月の裏側が表側に比べてふくらんでいる」こと。
    「隕石に衝突した跡が異常に多い」 のを知っているな。
    これは宇宙空間を長い間飛行しているときに隕石にぶつかった跡さ。
    つまり月の裏を前面にして飛んできたということよ。

    土星の衛星の一つです。
    上の土星の衛星の一つの画像を見て見ろ。
    片側だけに隕石に衝突した跡があるだろう。
    これは宇宙を飛行中に隕石をはね飛ばした時についた跡だぞ!
    月とまったく同じだぞ。
    片側だけにあばたがあるんだ。
    この画像では陰になって少しわかりにくいがあばたのある側が少しふくらんでいるんだ。
    なんで裏がふくらんでいるかといえば、隕石にぶつかることを予想して厚くしてあっただけの話しさ。
    どんな球形宇宙船でも、半面はふくらませてあるのさ。
    ふくらませてあるほうが宇宙で飛行するときには前面になるのよ。
    つまり隕石と衝突しても隕石をはじき飛ばすためさ。
    はじきとばす時には内部でも多少音が聞こえる場合もあるぞ。
    そうゆう隕石はよほど大きいやつだな。
    おれたちはなるべく大きいやつにぶつかりたいんだ。
    ぶつかると隕石は粉々になるんだが、中にいる俺たちは結構快感を感じるんだ。
    フットボールの選手同士のぶつかり合いを考えてみろ。
    こちらは若の花級の大きさなんだ。
    相手は赤ちゃん以下の大きさなんだ。
    その上、こちらは壁の厚さが200kmもあるんだ。
    どんな隕石だってぶつかればはね飛ばすことができるぞ。
    ぶつかるとき俺たちが快感を感じるのを理解できたか?
    月が宇宙戦艦であることが少しは理解できたか?
    何、まだわからん?
    じゃこれはどうじゃ。
    月が大きさの割には極端に軽いのは知っているか?
    月も地球と同じ材料からできている地球型惑星だとしたらおかしいだろう。
    太陽系の惑星の回りを回っている衛星は、ほとんどがみんな月みたいに大きさの割にはめちゃくちゃ軽いんだぞ。
    ウソだとおもったら惑星関係のホームページで調べてみろ。
    資料がいっぱい載せてあるぞ。
    どれもこれも俺様たちが作った中空の衛星だからあたりまえだろう。
    その他にもあるぞ。
    月の重心は、中心に無いのは天文ファンなら知っているな。
    だが、これはおかしいだろう。
    もし内部が溶けているのなら中心になければならんぞ。
    土星と木星のことも考えてみろ。
    なぜ、土星と木星には、同じような寸法の衛星がたくさんあるんだ。
    木星には39個、土星には30個が回っているぞ。
    前にも言ったように、土星と木星がわれわれの宇宙船製造工場になっているからよ。
    それがわかれば、なぜ、金星・地球・火星には、衛星が少ないのかの理由もわかるな。
    水星・金星は0個、火星は2個だ。
    これらは製造工場ではないからよ。
    まだまだ太陽系の惑星、衛星に関しては不思議なことがいっぱいあるはずだぞ。
    特に月に関しては不思議なことだらけだろう。
    だがあんまり詮索せんでいいぞ。
    お前たちはこわくて調査のため月には宇宙飛行士を送りこめんじゃろう。
    NASAは30年間も宇宙飛行士を送り込んでこないぞ。
    30年間だぞ。
    10年、月に行かないだけでも「変だな」と思うのがふつうだぞ。
    たとえて言えば、月は地球から見てながいあいだ好きで好きでたまらなかった「かわいこちゃん」みたいなものだ。
    その「かわいこちゃん」に会いに33年前にはるばるでかけて行ったわけよ。
    そして6回デートしたのさ。
    そして「かわいこちゃん」からおみやげに「月の石」をもらっただろう。
    ふつうならその後毎年会いに行きたくなるだろう。
    どんなにしんぼうづよい者でも、すくなくとも3年に1度は会いにいくぞ。
    だが30年間一度も行かないとしたら、相手に "ふられた"からだとわかるだろう。
    そうさ、相手に「きらい」って言われたんだ。
    「きらいだから、もう会いに来ないで」って言われたんだ。
    でもNASAはふられたことをだまっているのさ。
    ロシアなんかはじめからふられると思いこんでいるのかもな。
    おまえたち人間どもは、なんで地球が月にふられたか考えないんだ!
    なんでNASAに「30年間も会いに行かないのはおかしいぞ」って言わないんだ。
    ああ、そうか。 おまえたちは自分の仕事やテレビを見るのにいそがしくてそんな時間がないか!
    そうだ、おまえたちがよけいなことを考えないようにと、おまえたちの時間をうばっておいたな。
    こりゃ、おれさまの作戦勝ちだな。
    ウアハハハ、ハハハ!

  •  >>次のページへ
  •  >>目次に戻る